企画書 のバックアップ(No.1)
企画意図
現実に存在したとされる魔女を題材としたファンタジー
いわゆる歴史上における「魔女狩り」において弾圧対象となった魔女達が、本当に魔法を使えていたとしたら、というifストーリー。
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我々は魔法というもののメカニズムを知らないので、最終的には一般的なファンタジーと同じ雰囲気にはなるだろうが、一つの可能性として考えてみたい。
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仲間だけを隔離した世界で何が起こるのか?
よく「○○だけの国」という題材が創作界隈で話題になるが、「魔法使いだけのコミュニティ」の中で起こる出来事を考えてみたい。
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力を持った人間だけが集う世界となるので、おそらくロクな事にはならないはずである。
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宿命を考えるRPG
職業柄英語を頻繁に読むのだが、少し前に「fate」を英英辞典で引いた事がある。
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the things, especially bad things, that will happen or have happened to somebody/something(OALD)
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何者か(何らか)に、これから起こる、もしくは起こってしまった、(特に悪い)出来事
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どうやらラテン語の「fatum(神託)」を語源とするらしく、予め定められた悪い運命、というニュアンスである。また神話における運命の三女神(モイライやパルカエ)にしばしば「Fates」の呼称が与えられ、自分では変えられないという意味も含んでいるようだ。
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さて、しばしばRPGでは「運命を変える」描写があるが、本作では「fate=変えられない悲運」を主軸としたい。どんなに悪い状況でもそのときにベストな選択をするしかない、そんな不運を確約された人物の思案の変遷を考える。
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タイトル
Fatal Magic
色々な解釈ができるようにしたいが、簡単に訳すと、「運命を決する魔法」ということになる。
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概要
宿命に翻弄される主人公
主人公2人組は、超自然的な存在に不運な未来を約束されてしまった魔術師である。両者ともに一生を棒に振るレベルの宿命を背負わされる事になったが、そんな彼らは彼らなりに楽しく生きようと模索している。
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なお、主人公たちの詳細については別途記載するものとする。
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弱者の集まったコミュニティでの権力争い
設定上、そして歴史上、術師たちは現実世界で迫害を受けていた「社会的弱者」とも言うべき存在である。彼らが術の力で応戦する事は不可能ではなかったが、新しく世界を作った方が手っ取り早いと考えたとある賢者の策によって「術師とその子孫だけの世界」というコミュニティが形成される事になった。
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弱者(それも超自然の力を持った)が集うと新たな身分の上下が生まれるのは必然の出来事であり、主人公達とある程度距離を置いた場所でさまざまな争いが起こっている。
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作品名について
ところで、「fate」という単語は、幸運を指す「fortune」や、同じ神託ではありながらよい結末を暗示する「destiny」、破滅や死が約束されている「doom」とは使い所を異にする。
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制作にあたり、≠destiny, fortune ≠doomという認識は常に頭の中に留めておきたい。
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ここでいう宿命とは「超自然的な存在」によって定められているものであり、決して予定調和だとか確定事項だとかそういうニュアンスではない。
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【fatalの主な意味】
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①致命的な
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「クリティカル率や攻撃倍率を高めて一撃で敵を倒し、敵に背後をとられないように動く」というゲーム性として反映させる。
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②宿命的な
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主要な登場人物は俗世での生活が困難な経歴を持たせる。なお、その経歴は偶然ではなく「そうなるべくしてなった」という必然性を孕む。
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③破滅をもたらす
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取り返しが付かないレベルの損害を周囲に与える魔法を扱う人物たちが、自分の力とどう向き合うかが物語の鍵となる。
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④運命を決する
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上に挙げた項目から、人間の意思を超えて禍福をもたらす魔法という力を通じた交流や対立に主眼を置く。
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以上をまとめ、「命取りの呪文」「宿命的な呪い」「破滅をもたらす魔力」「運命を決する魔術」といったニュアンスがこめられている。なお②③④に関しては、ストレートに表現されない部分となる。